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With the Community 002:note版 コミュニティの育て方

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こんにちは、kakeru編集部です。
ここ数年、コミュニティに入ってみたという話を周りでよく耳にします。

特に最近では新型コロナの影響による自粛期間中、孤独を感じることも多い状況で、どこかに“所属している”という意識みたいなものを改めて欲している人も多いのでは?

でもコミュニティに所属するのは、はじめての人にとっては勇気のいることでしょうし、さらにはコミュニティを作ってみようと思っても、うまくいくイメージができず、躊躇してしまうのではないでしょうか。

今年からnoteに新しい機能として設置された「サークル機能」は、noteという私達にも馴染み深いプラットフォームでコミュニティを立ち上げたり、参加したりをとても簡単にしてくれる機能のようです。kakeru編集部としてオンライン取材を実施し、noteのディレクター平野太一さんに、その「サークル機能」についてお聞きしました。

なぜnoteに「サークル機能」が追加されたのか

──まず、noteでコミュニティを作ることができる「サークル機能」が追加された経緯やきっかけは、どんなことだったんでしょうか?

平野:noteにはミッションとして「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というものがあります。インターネットのおかげで創作ははじめやすくなりましたが、「続ける」のはまだハードルが高いと考えています。

たとえば、個人で創作を本業として続けていくにはガソリン的な存在としてお金が必要です。これまでも定期購読マガジンという機能があり、それは月に一定数以上の記事を更新してその対価として、クリエイター自身が設定した購読料をもらうサブスクのしくみでした。でも「書くのが得意じゃない」クリエイターにとっては使い勝手がよくないものでもありました。そこで“もっといろいろな人が創作に集中できるしくみを”と考えて、この「サークル機能」を開発することになりました。

──なるほど、そういうことだったんですね。

平野:「サークル」という名前がついていますが、交流メインのサークルもあれば、クリエイターが自分の創作過程をひたすら紹介していくようなサークルもあり、クリエイターそれぞれがやりたいことを実現できる場所にしたいと考えています。

──どうして「コミュニティ」じゃなくて「サークル」という名前なんだろう?と思っていたんですよね。

平野:大学のサークルのように“好きなもの”があって、それを中心に人がわいわい集まっている。誰が上とか下とかを感じさせない名前であれば、クリエイター側もそれぞれが自分の好きなように人を集めやすいのではないか。そんな思いから、サークルという名前に決まりました。

──すごくしっくり来ました。実態としてはまず、現在どのくらいの数がありますか?

平野:現在2000を超えていますね。新型コロナの影響で緊急事態宣言が発令された頃からは、つながれる手段としてサークルを求めている人が多いのか、一日数十件単位で増えている状況です。

noteのサークル機能、開始4ヶ月で参加者が15,000人突破。投稿の公開範囲をプランごとに選べる機能もふえました

https://note.jp/n/n199725cb0b59

「【公式】サークルを楽しむ会」について

──おもしろいですね、確かに、お金を払って見てくれている人がいたら、続ける気になりますね。そして、少し前にできた「【公式】サークルをたのしむ会(以下、公式サークル)」というサークルについてもお聞きしたいです。サークルのサークルってなんだろう?と気になっていました。

平野:コミュニティでも大変なのは続けていくことなんですよね。ノウハウがないままだと、楽しいことをしているはずなのに、疲弊してやめてしまう。それをどうにか食い止めたいなという思いがありました。

知見が集まる場所としてnoteが公式に作ったのが、このサークルです。すでに約3,000人の方がメンバーとして参加しています。

──見ていると、本当に小さなコミュニケーションについての質問もあって、実際に運営している人だからこその質問ですよね。

平野:そうなんです。コミュニティの参加者側の行動はスキを押すくらいで、コメントまでする人は多くありません。運営者側の期待とは温度差があるものの、それを知らずにはじめると、こんなに発信しているのに全然反応がないと思って悩んでしまうことがあるようです。

そもそもコミュニティの運営者と参加者には、参加する意気込みや、参加してからのイメージにギャップがある。そこを埋めるような場所になりたいと思っています。

4月に公式サークルを立ち上げてからの一番の収穫は「みなさんの悩みがわかった」ことでした。今後もnoteのサークル機能はカイゼンを進めていく予定ですが、こちらから何をどんな優先順位で提供したらいいのかわかるようになりました。また私たちからだけではなく、公式サークルのメンバー同士で「こういう風にやりました」とアドバイスしあうやりとりも行われていて、手ごたえを感じています。

いざ、サークルの作り方を聞いてみた

──ここからは具体的なサークルの作り方をお聞きしたいと思っています。特にコミュニティに所属したことがない人に向けて、まずこれをはじめてみてほしいということがあればお聞きしたいです。

平野:もしコミュニティ運営初心者の人がサークルをやるのであれば、内容は自分の得意なことや仕事の延長線上のような、馴染みのあるものだと無理なくはじめられて、続けやすいと思います。

サークルの名前は、例えば「生活記録がリアルタイムで読めるプラン」のように、活動内容がイメージできるものをつけるのがおすすめです。

サークルのトップページに「サークル紹介記事」を固定できる機能もあります。

その機能を活用して、サークルの目的や活動内容を具体的に書いていただきたいです。入ってみないとなにが起こるか分からないものには、みなさん参加しづらいので。

──プランの設定はどう考えたら良いのでしょうか?

平野:特に初心者の方は、ひとつのプランからやるのがいいと思います。サークルには最大3つのプランを設定できますが、それぞれのプランごとに提供する価値を分けるのは大変です。まずはひとつのプランで運営してみて、付加価値をつけられそうであれば、増やしていくのがおすすめです。

──そしてメンバー集めも不安な要素のひとつですよね。アドバイスはありますか?

平野:まずは自分がよく使っているSNSで、サークルを始めたことをシェアする。そのときに、先ほどお伝えしたような「サークル紹介記事」を書いてシェアし、周囲に知ってもらうのがよいと思います。

他にはサークル内でなにが起きているのか、見せられるところはSNSなどで外の人に伝えることもおすすめです。盛り上がっている様子を見せることで興味を抱く方は多いと思います。熱気や雰囲気をチラ見せして、人が入りやすい状態にするのは大事ですね。

※参考:CXO・深津とnoteプロデューサー・最所が開催したサークルオーナーの相談会で深津が伝えたアドバイス


──では盛り上げるコツはありますか?

平野:サークルの目的はそれぞれですが「盛り上げたい」ニーズがあるとすると、相互交流が目的の場合でしょうか。

やはり参加者がコミュニティのなかで主体的にコメントをするのはハードルが高いです。発言のハードルが下がるように、まずは質問を投げかけることが、コミュニケーションのきっかけになるのではないかと思います。たとえば写真家のサークルであれば「今月撮った写真は?」とか、映画好きのサークルであれば「○○な気分に合う映画を教えてください」とか。メンバーそれぞれが自分のなかのストックをだせそうなものを聞いてあげるといいと思います。

──たしかにそうですね。

平野:そして、意外に大切なのはやってほしいことを言語化して伝えること。投稿にコメントがほしいのであれば「コメントください」とストレートに伝えたほうがいいと思います。ぼくが個人的にやっているサークルは、逆に「コメントを期待しない」スタンスでやっています。


これからのnote、これからのサークル機能

──なるほど。だいぶサークルをはじめるイメージがついてきました。今後、こんなコミュニティが増えたらいいなとか、どんな体験をしてほしいというものはありますか?

平野:サークルは、創作を続けることをサポートすることがで目的で作られたので、特定のコミュニティが増えていくよりも多様なコミュニティが生まれていくといいなと思っています。

例えば目をひいたものとして挙げると、「数学ガール」という本をだされている結城浩さんという方が、自分の作業ログを公開するサークルをやっています。

自分の作業ログを公開!『数学ガール』結城浩さんのサークル活用法
#noteクリエイターファイル

https://note.com/notemag/n/n994c40f2d8ff

1時間ごとにログ化されているので、「あ、ごはん食べてる」とか(笑)動いているのを感じられて、とてもおもしろいです。結城さんにサークルについてインタビューをさせていただいたときに、誰も見ていない日記だと続かないものですが、一人でもお金を払って見てくれていると更新するモチベーションになるとおっしゃっていました。そういう使い方もあります。

──「サークル機能」や定期購読など、さまざまな機能を使って、たくさんのクリエイターが表現することやそれを続けていける場がnoteであるということですね。

平野:そうですね。クリエイターは決して特別なものではなく、「だれもがクリエイター」というのは社内でもよく語られています。noteで活動するクリエイターが創作を続けていけるような場が、この「サークル機能」によってさらに広がっていくとよいなと思っています。

取材を終えて

コミュニティには多様なものがありますが、どんな形態のものでも円滑に運営するには、さまざまなノウハウや工夫が必要なのではないでしょうか。noteのサークル機能を使ったコミュニティ運営は、運営したい人=クリエイターにとって、強い味方となりそうです。運営についての課題をスムーズに解決して、自分の共有したいテーマを誰かと分かち合う楽しさを堪能したいものです。

Interview sagako
Writing&Design 今城加奈子










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